つのコラム
今、出来る事
「思えばお前たちを育てよった頃が一番充実しちょったじゃろな。」
80代の父がしみじみと言う。子育てをしている私や弟達をみてそう思うのだろう。そろそろ人生の仕上げをしている人の言葉は重たい。
勤めるデイサービスでもこの事を話すと、「そうよ、その通りよ!忙しく大変やったけど、あん頃が一番良かったわ。」と、昔を懐かしまれる。
そう、仕事、家事、育児と毎日が本当に忙しい。隙あらば横になりたい、ゆっくりしたい。けれどもそんな中おばあちゃん先輩方がされたように、私も自分に出来る事は何かと考えた。
今私は都農南小のよみきかせボランティア「たまごっこ」の代表を務めさせていただいている。よみきかせをしている時の子ども達は目がキラキラしており毎回とても楽しみにしていてくれる。子ども達の元気な笑顔にパワーをもらい、こちらも楽しく活動している。
8月より都農高校跡地活用検討委員もさせてもらっている。白熱した意見が飛び交う。微力になるかどうかも不安であるが、子ども達と都農町の未来を本気で考えたい。
小学校、保育園の役員やこのコラムやら何かと時間に追われる日々。姑さんや旦那さん、勤め先の協力もありがたい。出来る範囲であるが、出来る限りやってみようと思う。そして、ばあちゃんになったら「あん頃が良かったわー」と、ぼやきたい。
小辻󠄀 史(こつじ あや)
高鍋生まれ。夫と知り合い都農人となる。そして更に縁あってこのコラムを書くことに。趣味は宝塚歌劇団鑑賞と少しばかりの読書。結婚前は海外旅行によく行っていた。現在町内のデイサービスにて勤務中。
瀬川ゼミ(経済地理学研究室)の調査研究報告書を刊行しました!!
私のゼミの現4年生3名による調査研究『宮崎県内自治体における空き家対策の現状と都農町の居住・生活環境に関する実態調査』が、かろうじて完結し報告書を刊行しました。
調査では、都農町の約2,400世帯へ調査票を配布し465世帯の皆様からご記入をいただきました。学生たちの訪問による聞き取り調査にご快諾下さった17世帯の皆様には都農町での暮らしや住居をめぐる話をお聞かせいただきました。訪問の際は「是非来て欲しい」とお声掛け下さり、ご厚意に甘えさせていただきました。
皆様から頂戴したご配慮、ご教示と温かなまなざしは、教員風情が与えてやれるものでは決してなく、貴重な社会体験として彼らの心に深く刻まれ、後の人生に大きく活かされるものと確信しています。本当にどうもありがとうございました。
なお、本報告書は国立国会図書館、県内の公立図書館のほか、都農町民図書館でもご覧いただくことができます。地域経営学講座ホームページ上でも、彼らの「編集後記」(私への「恨み節」!?)とともにご覧いただくことができます。報告書とあわせてご笑覧いただけましたら幸いです。
瀬川 直樹(せがわ なおき)
宮崎大学地域資源創成学部准教授。専門は人文(経済)地理学、国土政策論、産業立地政策論など。政府系シンクタンクにて産業立地政策、国土政策立案ならびに関連調査研究業務に従事した後、2020年4月より現職。岩手県盛岡市出身。1970年1月生まれ。
人と対話するって難しいなと感じています。生まれも育った環境も年代も違う人たちと対話していくにはどうしたらいいか、良い落としどころをどう探っていけばいいか、日々模索しています。
僕は小中高と千葉県で過ごしました。千葉の中でもニュータウンで、周りには東京に通勤する親の子どもが多かったです。僕もそうでした。同世代の友達とは比較的仲良くやっていたと思いますが、中学の終わりごろになると物足りなさを感じていました。なんだか考え方がみんな均質すぎてつまらないなと思っていました。そのあと年を重ねながら京都、岐阜、兵庫、宮崎と住まいを変え、その間にいくつかの国を旅しました。様々な人たちと接していく中で、「あ、今まで自分は他人や環境に甘えていただけだったんだな」と気づきました。なんとなくこんなもんだろうと高を括り、目の前の身近な人たちにきちんと向き合っていなかったのです。対話を重ねながら相手を深く理解し、相手の知性に対して敬意を表すという「作法」を知らなかったのでした。
相手への敬意を示すには、「敬して遠ざける」という方法もありますが、ある程度近づいていかないと見えないものや築けない関係性もあると思います。光嶋裕介・青木真兵著『つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡』(灯光舎)を読んで、2人の距離感が自在に変わっていくのが心地良いなと感じました。往復書簡という対話の中で2人の性格や思考の差異が際立つことで、逆説的かもしれませんがお互いの信頼関係をより強固なものにしているのです。
小松原 駿(こまつばら しゅん)
1988年東京生まれ。同志社大学経済学部卒。映像作家見習い、蔵人(清酒醸造)などを経て2020年都農町へ。現在ツノスポーツコミッション事業統括責任者。座右の銘は「そのうちなんとかなるだろう」(植木等)
People Feature:Grade 4 Students in Tsuno Town (Japan) and Santa Rosa City (Philippines) Express Their Favorites
The 4th graders of Tsuno Higashi Elementary School rooted for me when they saw my first article in this magazine. In our English classes, we talk about our favorites. I would like to feature them in this column. I added a little twist by including what 4th graders from a school in the Philippines like.
Firstly, twelve Japanese 4th graders speak of their favorites. All of them like cola, spaghetti, and fried chicken. More than half of the class love playing e-games. Individual choice of food varies from student to student namely dumpling, chicken dish, fruits, and sweets. But they do not like bitter gourd. They like sports and other activities. Their favorite anime are Crayon Shin chang, Dragon Ball, and Doraemon. Many students want to go to Korea, the USA and the Philippines.
Secondly, 10 Filipino 4th graders (6 boys & 4 girls) also answer cola, spaghetti and fried chicken as their favorites. All these children do not like bitter gourd. They also like anime such as Naruto, Voltes V and Dragonball Z. Like the Japanese students, they also like e-games. They want to go to the USA, Japan and Korea.
In the future, I hope that someday these children would be building bridges of friendship for both countries and the world.
人物特集:都農町とサンタローザ市(フィリピン)のこどもが好きなものを表現したよ!
都農東小学校の4年生が、前回の私の初めての広報記事を見て応援をしてくれました。私は、英語の授業で、子どもたちが好きなものについて取り上げることがありますが、今回のコラムでは、このことをフィリピンの子どもたちと比べながら紹介したいと思います。
初めに都農東小学校の4年生(12人)に好きなことを尋ねると遊びではほとんどの子どもたちがゲームが大好きと答えます。食べ物では、から揚げや果物、餃子、スイーツなど様々です。フライドチキンとスパゲッティとコーラは、全員が大好きですが、ゴーヤは、一人を除いて好きではなく、これはフィリピンの子どもと同じです。また、スポーツなどの活動も好きですし、アニメについては、クレヨンしんちゃん、ドラゴンボール、ドラえもんが人気です。更に、将来行きたい国を尋ねると韓国、アメリカ、フィリピンに行きたいとの事です。
次にフィリピンの学校の4年生(10人)の好きなものを見てみますと、食べ物では、都農の子どもと同じようにコーラ、スパゲッティ、フライドチキンが好きです。アニメも大好きで、ナルト、ボルテス・ファイブとドラゴンボールZが人気ですし、ゲームも大好きです。また、将来行きたい国は、アメリカ、日本、韓国で、都農の子どもたちと同じです。
将来、この子どもたちがいつか両国と世界に友好の橋を架けてくれることを願っています。
Angelina Alvarez Nakase
(アンジェリーナ アルバレズ ナカセ)
フィリピン出身。名古屋大学院に留学、博士号を獲得。食品化学や分子生体の研究に携わった後2012年に宮崎でFLAA(外国語アクティビティ・アシスタント)に。2018年から都農町のALT。