水産業夢未来プロジェクト
昨今、国内の水産業は、漁業者の高齢化や担い手不足、燃料高騰など大変厳しい状況です。都農町においても同様の問題を抱えており、今後どのようにして本町の水産業を魅力的で持続可能な産業としていくかが喫緊の課題となっています。これに対し、本町では完全閉鎖循環式陸上養殖と都農水産加工センターを軸とした都農町水産業夢未来プロジェクトを展開しています。
岡山理科大学、NTT東日本、NTT西日本との4者連携協定のもと、自然環境や人的災害の影響に左右されず、環境にも優しく、安定的な水揚げが可能な完全閉鎖循環式陸上養殖(7.4t水槽×2基)を開始。この試験養殖では、岡山理科大学の開発した好適環境水®️を活用して完全閉鎖陸上養殖方式では成功事例が無い「タマカイ」「クエタマ」(日本を含めアジア各国で高級魚として好まれているハタ科の魚)の養殖をスタートしました。また、水産物に付加価値を付け、新たな特産品を生み出すことによる漁業経営の安定と向上を図り、地域の活性化を促進することを目的に都農水産加工センターを建設しました。
令和5年3月に試験養殖場に導入した2魚種が90%を超える生存率を記録。「タマカイ」「クエタマ」と「完全閉鎖循環式陸上養殖」の組み合わせで世界初の成功(岡山理科大学・NTT東日本・NTT西日本・都農町調べ)となり、2月13日に役場で中間成果報告を行いました。 現在はその中でもより高い成長率が確認できたタマカイに注力し、本格的な量産体制構築を目指しています。
稼働を開始した都農水産加工センターでは、陸上養殖によるタマカイや県内外の養殖魚の加工を開始しました。 21日には、タマカイをふるさと納税返礼品用の鍋セットに加工する作業を行いました。 今後は国内だけでなく海外市場も視野に入れて取り組んでいきます。
タマカイPRのため、河野知事を表敬訪問しました。試食された河野知事は「うまみと甘みが口の中に広がって、弾力もあり、とても美味しいです。ぜひタマカイを大きく育てていきたいですね。これからも水産業の推進を期待しています。」と話されていました。
タマカイのあら・身(各1パック)計500gを、ふるさと納税返礼品として出荷しています。令和7年1月現在、80件以上の申し込みをいただいています。
第二段階として町内に大規模な養殖施設の建設を予定しています。今後は、民間企業を誘致して規模を拡大し、本格的な養殖の量産体制を目指していきます。
飼育担当 三輪将也さん
つの水産振興・ 加工品開発協議会
初めての養殖で餌や飼育方法を試行錯誤しながら育てました。その経験を糧として、次の段階ではさらに成長率をあげられるのではないかと考えています。タマカイはダシがすごく出る魚なので、ふるさと納税をしていただいた方に鍋や唐揚げなどで楽しんでいただければと思います。
お問い合わせ先
産業振興課【TEL】0983-25-5721